私はバンコクで仕事をして5年目になりますが、多国籍のメンバーと開発プロジェクトやマーケティング、経理・法務などのバックオフィス管理などをこれまでやってきました。国籍も世代も違うので共通の当たり前というのはない中で、どういうやり方で各プロジェクトが円滑に進むのか試行錯誤してきた結果を紹介していこうと思います。
日本人は行間がでかすぎ
外国籍の方との対比でよく言われることですが、日本人のコミュニケーションには行間がめちゃくちゃ多いし、でかいです。これはタスクを任せるときも同様で、具体的な要件やゴールが曖昧なまま任されることが多くあります。
特に多いのはゴールの曖昧さ。なんとなくここまでできたらゴールかなというのは日本人同士ならわかりますが、バックグラウンドが異なると大きな認識のズレに繋がっていきます。
割とエンジニアリングの現場では要件も明確にするし、ゴールも基本的にはレビュー担当の承認&マージというわかりやすいものが多いのですが、マーケティングとか経理形のタスクはゴールをしっかり定義しないと完了したのか曖昧に残り続けるタスクが出てくるのでやばいです。
すべてのタスクを"超"明確にせよ
なのでプロジェクト内のタスクは徹底的に明確にすることが必要だと考えています。が明確にといっても人によってその水準が異なるのは嫌なのでタスクを作成するときのルールを設けました。
ルールはシンプルで、すべてのタスクには次のことを書く必要があるということです。
その内容は、「背景」、「これをやると(やらない)とどうなるか」「計画」「ゴール」の4つです。1つずつ内容を説明していきます。
タスク化したい背景を書く
プロジェクトを運用していると、大まかな全体方針などは会議などを通じて周知されると思いますが、細かい状況の変化などはSlackなどでバンバン流れていく状態です。なのでタスクに着手するときに、「そもそもこれってなんでやるんだっけ?」となってSlackを見返したり、背景を考慮しないでタスクを開始するのは効率が悪いので、タスクの起案者は必ずその背景を記述します。
新規の機能開発であれば開発MTG時の議事録をリンクしたり、バグであればバグ内容とバグがレポートされたSlackメッセージをリンクしたりします。バックオフィス系のタスクであれば、当局からこんなリクエストが来たから、とか前月の決算にミスがあったからとかタスクが必要になった背景を書いていきましょう。
タスクをやると(やらないと)どうなるのか?
これは主にバックオフィス系のタスク管理で特に役立つのですが、このタスクをゴールさせることができないといくらの損失になるとか、追加で税金がいくらかかるとかを書いていきます。そうすると、タスクの重要度を明確に伝えることが可能です。優先度を「高」にするだけだとイマイチでしたが、具体的にリスクを公開していくことでタスクの優先度がコントロールしやすくなります。
また開発系のプロジェクトでもこの改修によってどんな指標が向上するかなどが明確に伝えられるので、実装者が主体的に考えさらなる改善をするきっかけにもなり良いです。
プラン(やること)を書く
プラン、つまり実際にやることを書いていきます。これは抽象度をどのくらいまで下げるかが肝です。基本的には抽象度を思いっきり下げてこのタスク内でやるべきことを具体的に羅列すべきです。タスクの依頼者はそこに書いたプランのことしか実行されないと考えると最初は良いと思います。
チーム全体が慣れてきてここまでは共通だろうとなってきたら抽象度を上げていっても良いと思いますが、メンバーが入れ変わる可能性を考慮すればプランはいつも抽象度を低い状態に保つのが良いです。
抽象度が低い状態というのは、「何の前提知識がない人がそのプランの内容だけを読んで理解可能な状態」です。
ゴールもしっかり言語化する
これが抜け落ちているタスクが多いように感じます。タスクのクローズ要件はきちんと言語化しましょう。
具体的には、「誰の承認を得る」とか「当局から所定の書類を受領すること」、「デプロイすること」などが挙げられます。最終的にそのタスクを完了と断定可能な人間は誰なのかという最終責任を明確にするのです。
割と最終責任がごまかされているタスクがあるので注意してください。
便利なタスク管理ツールを選らんで管理
タスク起票のルールさえできればあとは好きなツールを管理するだけ。個人的にはBacklogが好きですが、もう少しライトな感じでいきたいならTrelloとか開発プロジェクトをゴリゴリに管理したいならJIRAとかこの辺はなんでもいいです。
Backlogが便利なのは、UIがシンプルなのでチケット管理したことがない非エンジニアでも使いこなすのに時間がかからないこと、Trelloほどライトではないのでガントチャートなどしっかり管理ができることです。この辺のニーズがぴったりハマるのでBacklogを活用しています。
ツーカーではいかないことを理解をしてその中で円滑にタスクを管理していくメソッドをどんどん進化させていってください。